2011年10月24日月曜日
「感謝と仕事、原価と敬意」
今年も、この銀座という舞台を中心に仕立て業をさせて頂きました。
当店にご注文賜りましたお客様には心から感謝申し上げます。
本年も11月を目の前にむかえ、
年内にご納品できるハンドメイドはすでに終了。
今後の、新規受注はマシンメイドのみ年内可能となります。
そのマシンメイドも11月上旬までの受注で終了でございます。
現在お預かりしておりますスーツやコート、タキシードやモーニング、
オーダーシャツやジャケットなど、
無数の注文を横目に、どれだけ仕事をしても一向に減る様子がありません。
年々お客様へお届けしたい仕上げレベルが、
私の中で大きくなるばかりで、
理想と現実の狭間で戦う毎日です。
仕立て屋の仕事というものは、
お仕立て申し上げた服を、お客様がご着用頂いている時間に
一定の責任を持つということだと、
そして、その熾烈な戦いと苦労と手間がある舞台裏を
お客様にお見せすることなく、
涼しい顔で、お客様にお届けすること。
(なかなか出来ることではありません。)
中でも、一流の仕事というものは、
世界中に無数にある仕立て屋の中から
当店をお選び頂いたことへの感謝を
仕事でお返しする。
その仕事への敬意を、原価にプラスして、
お客様がお支払いする。
だから、一流の仕立て屋の仕事に利益という考え方はない。
あるのは、「感謝と仕事、原価と敬意」だけだと。
利益があるとすれば、それは帳簿上にある、ただの数字を指すのみ。
「私の尊敬する一流仕立て職人の言葉です。」
この仕事の歴史は深く、
技術やセンスもさることながら、
その哲学の深さにも圧倒されます。
そんな階段を一段一段登るのも、
この仕事の醍醐味であり喜びでもあります。
今年も残り少なくなって参りましたが、
また次の一段を目指して、
目の前の仕事に真剣に向き合いたいと思っています。