2011年3月21日月曜日

日本という国。


フランスなどでは「大災害時での日本人の冷静さに驚きと賞賛」とのマスコミ報道が多いようです。フランスの記者が日本人にインタビューして、
「どうして貴方は逃げないのですか?」と質問すると、
「会社の人たちを置いて、自分だけ逃げられない。」との日本人サラリーマンの声に大きな衝撃を受けているといいます。

自分の命より仕事を優先する日本人の姿に、
フランス人も見習わなくてはいけない。という論調だそうです。

この論調を聞いて皆様はどう思われますか?
自分の命より仕事が大事という日本人が、本当に大半でしょうか?
そんなに私たちの国の現状はすばらしいですか?

まず、第一に今回の津波+原発事故の後、
関東圏で出勤するサラリーマンに、
「命がけで仕事に行く」という感覚を持って仕事に行かれた方がどれだけいらしたか?
ということです。

フランス記者が「なぜ逃げないのですか?」という質問の裏には、
いわずとも当然、地震でも津波でもなく「原発」を指しているわけです。

マスコミでの恐ろしい津波映像と、
度々起こる余震で、
ただものではない災害だとは思っていても、
関東圏が直ちに命にかかわる事態になるとは、
多くの人が思っていなかったのだと思います。

海外のマスコミと日本のマスコミ報道、
特に原発の報道ともなると、極めて大きな温度差があることは、
時間が経つ事でだんだん分かってきます。

福島第一原発が水素の圧力で爆発した瞬間の動画映像も、
日本のマスコミでは全く報道されません。
しかし欧米のニュースでは、何度も何度も流されています。
さらに地震発生から10日間過ぎた現在も、
その温度差は続けられているままなのです。

この状況が良い事か悪い事かは別として、
日本のマスコミは、いつまでたっても真実を語ってくれない組織であること。
もっと言えば真実を言いたくとも語れない構造になっていることが浮き彫りになりました。

何も現場と事実を知らない知識だけの専門家達だけが、
勝手な推測と政府との打ち合わせの元、
ただいたずらに国民を安心させる情報だけを報道する特殊な機関であることが、
今回の災害で極めてはっきりしました。

多くの日本人が日本語しか話せず、
海外に一度も行った事のない国民もまだまだ多い現状、
日本がいくら危険でも、海を超えて脱出するという選択肢を持っている人は
極めて限られています。
国土が小さいので、パニックが起きると大変です。
さらに首都東京です。人数が半端ではありません。
だからと行って、ただパニックを防ぐためだけに、
正しい情報を一切流さないでもいいというセオリーは、
あまりにも飛躍しすぎているように思います。

そして日本社会は、社会的つながりがすべて。
一度指を指され出すと、生きて行く場所を失う。
そんな村社会的強迫観念がまだまだあります。

今を持っても、特別な緊張状態が続く原発の現状。
大きく変わらぬ関東圏の空気。

フランス記者が賞賛と敬意を持って報道してくれる程、
日本は豊かな国ではなく、
複雑な問題を歴史的・構造的に抱えた
ガラパゴスな国なのだと思います。

原発の電源が回復し、冷却装置が少しでも機能してくれることをまずは祈りながら、
自分が今出来る事、やらなくては行けないことを探して行こうと思っています。