秋冬物のご注文をたくさん頂き始めて
制作作業も日々進めている時期です。
日本で作っていきたいクオリティーバランスの良い
生地を発注してお勧めしています。
毎年毎年同じ時期が来ると
生地を選びスーツを作成する。
こんな生活を18年も続けて来ました。
昔も今も生地を選ぶときには
一種の緊張感と
素晴らしい生地を見つけたときの喜び
良い生地を安く仕入れらてたときには
これはお客様に喜んでもらえるな〜という
喜びを感じて選びます。
どんな生地を選択すべきか?
スーツ制作の専門家として
自らに問い
毎年積み上がっているであろう
自らの経験やインスピレーションに頼り
内なる声と相談します。
昔は、
「どんな生地が売れるかな〜」
という視点がほとんどでした。
しかしいつの日からか
生地と会話するように選ぶようになり
自分の声が届く生地
一段階 上に引き上げられるような生地
ノイズが無く澄み切った生地
そんな生地を求めるようになってきました。
私が作る服は、
労働のための作業着ではなく
日本社会で機能的に使い易い服でもなく
なんというか、精神的に清く純粋で
体よりもむしろ精神的な何かと一体になるような
そんな服を作れるようになりたい。
そう感じるようになってきました。
それはやはりイタリアから受けた
影響が大きいと思います。
ミケランジェロが作った彫刻を
デッサンし、
ブルネッレスキの建築を日々眺め、
美術館や宮殿で見る
多くのテンペラ画や
フレスコ画から感じるものは
ただの商品を超えた
後世にまで大きく影響をあたえる
作品としての姿です。
もともと絵や彫刻に大きな興味がなくても
15年以上もあんなのを
身近に眺めざる得ない環境に置かれると
さすがに何かが伝わってきます。
フィレンツェで感じる
あのなんとも言えない
圧倒的な存在感ある街の姿
そしてそこに住む人々や文化
この心の熱を私なりに
自分の作るものへ転化したい
素直にそう思うのです。
