
出張とはいえ3週間も日本を離れると、
皆、僕の事を覚えていてくれているだろうか?
なんて、ちょっと不安になったりもする。
山積みになった仕事をこなすといっても
私は基本職人。
次々と人と会うわけでもない。
山に囲まれた自宅で
コツコツとデスクワークに励んでいると
メールやら電話でスーツの予約が入った。
ああ~皆僕の事を覚えてくれていたんだ~。
そんな安堵感で満ちた今宵を過ごしている。
イギリスやイタリアから再び持ち帰った
この、まだ形にならない胸の衝動。
こいつをこれから具体的に
形に変化させて理論に転化させなくてはならない。
活字にも変えて行きたい。
私と私のお客様がもっと開放的になれて、
ああ~人生ってこんなに素晴らしいんだ~。
って実感できるようになる為にも。
ヨーロッパでの私の業種「仕立て屋」の地位は高い。
どこへ行っても「私は仕立て屋です」と挨拶するだけで
敬意を示してくれる。
これは、日本ではなかなか体験できないこと。
それと同じく。
ヨーロッパでは「ハンドメイド」の価値も高い。
特に物作り大国イタリアでは、
物作りとは関係のない一般人からも、
「これはハンドメイドでね。
手が込んでいるんだ~。」
という話を聞くことも少なくない。
現代的な大量生産、大量消費を否定しないまでも、
イタリア人達の言葉を借りると、
「ハンドメイドの物は、人にとって優しいんだ。
人の手によって作られたものには温もりがある。
そのなんともいえない空気感が私たちを心地よく安心させるんだ。」
こんな言葉に触れただけで、
私もなんだか肩の力が抜けた。